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STORY – 007

石橋静河さんが大切にする、歴史が培った価値ある知恵について。

1825年にイングランド南西部の小さな町で生まれた<Clarks>。200年近くの時を重ねて今日まで、子供の足を護るファーストシューズの定番として、大人の足元をあらゆるシーンで彩るレザーシューズとして世界中で愛されてきたまさに“ヘリテージ”。長い歴史あるものは、どうして人の心を惹きつけるのか。その魅力を知る人々に出会うインタビューシリーズの今回のゲストは、女優・ダンサーの石橋静河さん。近年、文化や歴史をなぞる作品への参加が続く彼女。身をもって感じた歴史あるものの奥深さと、それを通して見つけた生き方の指針とは。

石橋静河さんが大切にする、歴史が培った価値ある知恵について。
石橋静河 石橋静河

STORY – 007

石橋静河さんが大切にする、歴史が培った価値ある知恵について。

1825年にイングランド南西部の小さな町で生まれた<Clarks>。200年近くの時を重ねて今日まで、子供の足を護るファーストシューズの定番として、大人の足元をあらゆるシーンで彩るレザーシューズとして世界中で愛されてきたまさに“ヘリテージ”。長い歴史あるものは、どうして人の心を惹きつけるのか。その魅力を知る人々に出会うインタビューシリーズに今回は、名バイプレイヤーとして数々の作品に出演し、最近ではファッションやライフスタイルにも注目が集まる俳優・石橋静河さんが登場してくれた。

女優として生きていこうと思ったきっかけ

女優として生きていこうと思ったきっかけは何でしたか。

正直、「よし、これで一生食べていこう」と最初から意気込んだわけではなくて、運よく今まで続けられているという感覚です。むしろ表舞台に立って他人から評価される怖さの方が勝っていて、ずっと葛藤していましたから……。けれど10代でバレエ留学をしたときに演劇の面白さにも触れ、お芝居の世界に入ればもっと面白い人やものに出会えるかもしれないという期待が膨らんで、一歩を踏み出してみようと思いました。「怖い、でも面白そう!」って。

“怖さ”への葛藤からは、どのように抜け出したのでしょうか。

お芝居を始めた頃、イスラエルで行われたダンスのワークショップに参加しました。「いつも不安感が強く、今の踊りは良くなかったと自分をジャッジしてしまうんだけど、どうしたらいいですか?」と、振り付け家の方に尋ねてみたことがあったんです。すると、「なぜ不安や恐怖心を排除しようとするの?あっていけないことはない、ある上で踊っていいんだよ」という答えが返ってきて、衝撃的でしたね。一般的に、ポジティブであるのが良いことでネガティブでいては良くないという考え方があると思いますが、この固定概念が覆されたことで「もっと自分の可能性を広げられるかもしれない」と思えるようになりました。まだ新しい作品に入るたびに“怖さ”はあるのですが、この言葉が今も背中を押してくれています。

怖さへの葛藤1 怖さへの葛藤2

ご自身が出演された作品、ひいては人生を振り返ることはありますか。

最近は、振り返ることも多いですね。世相もあり足を一旦とめたことで、自分に生まれた少しの余裕に気づいたからかもしれません。21歳でお芝居を始めてからの5、6年は、とにかくずっと走っていました。新しいことに挑戦し続けてどんどん吸収したいと思っていたから、次から次へ作品に向き合う日々。たくさんの人と出会えて、いろんな経験ができて、すごく濃い時間を過ごしました。当時の私にはそういう走り方が必要だったし、今だってベテランなんかじゃないから新しいことを知りたい気持ちは変わりません。けれど今は、全力でがむしゃらにただ前へ進むよりも、自分がどういうふうに生きていきたいのかをもっと考えたいと思っているんです。

今の時点で見えてきた答えはありますか。

ちゃんと寝てちゃんとご飯を食べて、人と話して、家族や友人、大事な人と触れ合う時間があって……、そういう生活があるうえでの仕事をしたいです。自分の生き方がそのまま反映される仕事だと思っているので、ちゃんと“生活”をしなきゃって。今、それはすごく大事にしています。

来年30歳を迎えます。一般的に“節目”と言われることが多い30歳を、石橋さんはどう捉えていますか。

節目ではあるよな、とは思います。だって単純に、生まれてから30年経ったってすごいことじゃないですか。だから純粋にお祝いの気持ち、という意味での節目です。ここまで生きてこられたの、すごくない?って(笑)。とくに30代は、結婚や子どもを持つことや仕事などとにかく色々なことを考えたり悩んだりすると思うのですが、大前提として何事もなくここまで生きてこられたという事実があれば、悩んでもちゃんと答えが出せるし、自分を苦しめすぎずにいられる気がするんです。

今の時点で見えてきた答え1 今の時点で見えてきた答え2 今の時点で見えてきた答え3

舞台『未練の幽霊と怪物』(2020年)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)、舞台『桜姫東文章』(2023年)と、ここ数年日本の歴史をなぞる作品や文化に触れることが多かったと思います。歴史あるものの魅力は何だと思いますか。

たくさんの知恵が詰まっているところだと思います。大河ドラマで鎌倉時代を生きた静御前を演じたのですが、服装も居住空間も様々絡み合って、理にかなう形に行き着いたのだと実感しました。例えば着物は現代人からすると歩きづらくて堅苦しいものだけれど、土間がある家で草履を履く暮らしを演じてみると、布を重ねる着方も帯を結ぶ位置もすごく自然なことだと気がつける。細部に宿る、昔の人の試行錯誤と知恵が見えた気がしました。無駄がなく、時短であることが最良でない場面もあって、むしろ昔からあるものは長持ちするし、手入れをしながら使い続けられると気が付きました。そういえば最近、南部鉄瓶を買ったんですよ。手をかけてお手入れしないといけないけれど長く使えるし、面白がりながら育てていけると思いました。

物を選ぶ視点にも変化があったのでしょうか。

そうですね。コロナ禍で一旦すべてが止まったときに、社会も自分もかなりのハイスピードで動いていて、すごくエネルギーを使っていたのだと愕然としました。とんでもない無駄遣いをしていたのかもしれない、と。環境のことに目を向けてみて「結局長く使えるものがいいんだな」という自分なりの答えが見つかりました。ここ数年の生活、関わってきた作品の両方から、何百年も前に生まれたものが今日まで残ってきた理由を教えてもらいました。自分の中ですべてが繋がってきている感じがします。

物を選ぶ視点1 物を選ぶ視点2

今日は、clarksのワラビーブーツを履いていただきました。いかがでしたか。

とっても軽くて、動きやすかったです。ゴムの木から作られた天然ゴムのクレープソールと聞いて納得。地面をしっかり踏める感覚が気持ち良く、びょいーんって、どこまでも飛べそうでした(笑)。長く履いて馴染んでいくのが楽しみな靴ですね。今日のコーディネートと同じようなテンションで、私服でもジーンズとカジュアルに合わせたい。動きやすくてかわいいのが1番です。

この靴を履いてどこへ行きたいですか。

自然の中に身を置くことが好きなので、海や山へ行きたいですね。最近車を買ったんです。選んだのは、昔から憧れていた車のちょっと若めのもの。まだ慣れていないので、乗りやすい靴でないと不安になってしまうけれど、クラークスなら大丈夫。足取りが軽いです。大好きなAwichさんの音楽を大音量でかけて、車に乗っていろんなところへ、思いっきり歌いながら走りたいなあ。そういう時間を、これからはもっと増やしたいなと思っています。

この靴を履いてどこへ行きたいですか1 この靴を履いてどこへ行きたいですか2
石橋静河

石橋静河
Shizuka Ishibashi

1994年7月8日生まれ、東京都出身。4歳からクラシックバレエを始め、15歳から4年間のバレエ留学を経て、2013年に帰国。2015年の舞台「銀河鉄道の夜2015」で俳優デビュー。2017年には初主演作「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」でブルーリボン新人賞を始め数々の新人賞を受賞。昨年出演した大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では静御前を演じ話題となった。「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」が2023年5月に上演予定。

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STAFF CREDIT
ヘアメイク/Aya Murakami スタイリング/Hiroko Yamamoto 写真/Maya Michiki 取材・文/藤井そのこ 編集/平井莉生(FIUME Inc.)、庄司楓(FIUME Inc.) ディレクション/Shota Miyazaki